会長挨拶

第35回日本総合病院精神医学会総会 会長 清水 研

令和4年(2022年)10月28日(金)と29日(土)の両日に、東京都葛飾区のかつしかシンフォニーヒルズにおいて、第35回日本総合病院精神医学会総会を開催することとなりました。

本会は、総合病院の精神医学の研究・診療に携わっておられる全国の医師を中心に約1000名の参加が見込まれ、リエゾン精神医学や、総合病院における様々な精神医学の側面について、毎回多くの研究発表と活発な討議が行われます。

一般総合病院の診療では、高齢者対策、救急医療、がん医療などの多様な場面において、身体・精神両面にわたる質の高い・安全な医療を提供することが求められますが、その中でリエゾン精神医学は、多職種協同のチーム医療を推進する重要な役割を果たしています。また、総合病院において提供される精神医療は、各身体科スタッフと連携し、地域(住民、救急隊、保健医療福祉機関など)からの信頼厚くアクセスも良好であり、コミュニティ医療の連携拠点として必要不可欠な医療資源と考えられます。

本総会のメインテーマは「リエゾン精神医学が創造する未来」としました。わが国は未曾有の高齢化社会を迎え、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題など、医療のパラダイムシフトが求められております。医療の構造が劇的に変わる中で患者、家族、そして現場の医療者はさまざまな課題や葛藤を抱えることが想定され、リエゾン精神医学に対する要請は今後ますます大きくなることが予測されます。本総会がこのような日本の医療の今後を見据えたニーズ・潜在能力・課題などを掘り下げて討論し、それらを共有することで目指すべき将来像を模索・探求する機会となればと考え、メインテーマを上記としました。プログラムは鋭意準備中であり、確定次第、ホームページにアップして参ります。

まだまだコロナ禍において先が読めない状況が続きますが、当日は会場でみなさまとお会いして、待ち焦がれていた対面での交流ができることをこころから祈っております。みなさまのお力をいただきたく、ご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。